藤本涼|ryo fujimoto[tiny oval]
tiny oval

2017, inkjet print

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Installation view






旅行先の写真の中にいた、“誰”とは特定できないサイズ、アングルで撮られた(というよりも写り込んでいた)点景としての人物は、さながら刑事が少ない手がかりから想像して追い求める犯人像のようにおぼつかない。
しかし、写真で撮られているが故に、(後から写真を確認して見つける場合が多いが)確かにその時点ではその場所に存在していたのだろうし、多分、”誰か”であるはずなのだ。
とはいえ、例えば名前と身体が一致する前の赤ん坊のように、または多くの人が自分の飼っているペット以外の動物をそれぞれを個体として認識することが困難であるように、撮影者本人である私や、撮影された本人やその人物に近しいものを除く多くの人々にとって、彼/彼女らは”誰か”でしかなく、”ほぼ”イメージの中にのみ存在出来ているとも言えるかも知れない。
そのような希薄なイメージとなった彼/彼女らを見つけ出し、確認したことの証明の行為として、また、想像と実体のあわいの可視化への試みとして、自らの指にある小さな楕円で触れてみる。
かつて撮られた古い集合写真においても、自分の顔であれすぐに見つけ出せるように、撮影された本人たちがこれらの写真に出会う機会があれば、おそらく自分自身が写っていると気がつくかも知れない(たとえその写真が画面のあちら側を向いていたとしても)。撮影された人物が、似姿としてのこれらの写真を見つける日がもしも来れば、その日がこの作品の終わりの日なのだ。
※作品の特性上、作品画像そのものを見たい場合は、info[AT]ryofujimoto.netまでご連絡ください。画像をデータでお送りします。


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